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2012/08/07

ハハコグサ-1:2012/07/03@あずさ17号

沿線で事故があったとかで1時間ほど遅延してあずさに乗り込んだ。といったって、明日からの剣岳登山を控えた前泊で、夕食に間に合って大町温泉に着けばいいだけなので、気分はのんきなものだった。

ipodでサザンを聴きながら、流れゆく車窓を眺めていた。
『月光の聖者たち』好きな曲だ。
エンド…
♪~抱きしめたい~もう一度~♪
聞き終えた途端、訳もなく、泣くでもなく、突然、壊れた水道の蛇口のように涙が落ちて止まらなくなった。

例えば道を歩いていて、バスの窓から外を眺めていたりする時、いきなり降って湧いたように母の面影が脳裏をよぎる。
新みどり病院の病室に横たわっていた母。
「しんどくない?」
尋ねたら、頭を振った。
「胸の苦しいの、もうダイジョーブ?」
には、『うん、うん』と頷いてみせ、何度も起き上がろうとした。
「いいから、いいから。寝てていいから」
その度に、そう言って制した。

あの時、母は起き上がって何をどうしようとしていたのだろう。亡くなってからもずっと、頭の隅から消えずにいた。それがわかったのは私が母の娘として母を考えている時ではなく、むしろ私が母として息子らのことを考えている時だった。私ならどうしたかったろうと思えば自ずと知れたことだった。母は自らの終われりを知り、最後に私を抱きしめたかったんだ、と。

ああ、抱きしめてもらえばよかった。

これまでも折に触れ父や母のことを書いてきた。読み返してみて改めて、その意味を再発見する思いだ。まだ書くことがある、と思う。父や母との関係性を通して、もう一度内省することでしか、もやもやした情緒不安定から脱することは叶わないと感じている。

本ブログ「日々楽観」を読んでいただいている皆様には、お退屈やもしれないが、どうか愚痴にも等しいモノローグ「母娘物語」にお付き合いいただければ幸いこの上ない。

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