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2008/09/07

ビバーク

08090601

いやはや、甲武信岳鶏冠尾根バリエーションルート、難行苦行の修行のようなルートだった。

岩そのものはゲレンデでの練習の方がはるかにハードなんだが、とにかくルートが長い。

不運なことに、道路が渋滞していて現地到着が予想を超えて遅延した。
駐車場をでたのが10時10分ほど。一般登山道を離れバリエーションルートに入れたのが
11時を少し回っていた。

岩の難度はさほどではないとはいえ、登っても登っても昇りが続く。一般登山道のように整備されていないから、何度も倒木を乗り越え、シャクナゲだのなんちゃら松の若木だののヤブを漕いで進まなければならない。


バリエーションルートを抜け木賊山
2460mにたどり着いた時は既に、夕方の6時を過ぎてしまっていた。車を降りた地点から勘定すると、優に8時間登りっぱなしということになる。

そこから後は降りればいいだけ。いっても一般登山道だから着々歩を進めれば2時間半ほどで下山する…はずだった。

間もなく日没。ヘッドライトを点けての下山。

「一般登山道って、なんてラクチンなんでしょ」


恐らくメンバーは全員、頭の中ではもう下山後のことを思い描いていただろう。

降りたら塩山あたりで風呂に入って、軽い食事でもして、家にたどり着くのは11時ぐらいかな~など…

降り始めて1時間ほど、笹でおおわれた樹林帯の中で道を見失ってしまった。こともあろうに雨が降り始めた。


しばらく道を探したが、(といっても、疲れ果てたワタシなど、突っ立って待っていただけ)「確かにこれが正解!」というべき山道を発見できず、これ以上右往左往しても体力を消耗するばかりか、事故にもつながりかねない。ついに「ビバーク」と決定。

山の鉄則を堅く守り装備万全整えて臨んでいたメンバーがいたことは、何にもまして幸運だった。

木立を支柱にツェルトを屋根に仕立てて、ともかくも地べたに身体を横たえる。

まあ、寝ようたって寝られませんわな。寒くて。

歯の根が合わない。体が震える。

この震えるという反応が筋肉を動かして熱を作り出す機能であることを改めて認識した。

しばらくガタガタ震えるとウトッとする。寒さで我に返る。震える。ウトッとするをくり返すんである。

間で皆、起きだして「明日降りたら、バターたっぶり、こってりラーメンが食べたい」「熱い汁粉がいい」「コーヒーおかわり自由のファミレス行こう」だの、もっぱら食いもんの話で笑ったり。

誠に文字通り「明けぬ夜はない」。

ほんとオテント様はありがたい。

あんなに悪魔の口のように黒々とひろがっていた笹原斜面も、明るくなってみると、なんでそこまで人を迷わすか不思議なくらい。


支度を整え、リーダーが道を探し出すのを待つこと
10分足らず。

「あったーッ!こっち来てーッ」

力強いリーダーの声に一同歓声。

ですが、ですが。

歩き出してみると、やはり疲労が大きくて、ただでさえスピードのないワタシなど、まさしくカメ。膝のバネはわらわら、モモ筋もグズグズ。

ヨレヨレのヨタヨタでようやく下山。

ファミレスで飲んだ「ただの水」、旨かったこと!

なにしろ前日の夕方6時に最後のひと口を飲んでから18時間ぶりの水分補給だったから。

誰一人パニックに陥らず、リーダーを信頼して、仲間をいたわり合い冷静に淡々と行動できたことは何にもまして素晴らしいことだった。

山の怖さを実感し、だからこそ鉄則を遵守することの大切さを改めて学んだと思う。

それにね、カメのように降りたワタシだったが、結果的にはコースタイム内だった。

これ、密かに自慢!

*写真は登り始めて2時間ほどの地点から。中央ほどに白い点のように見える辺りが登山口。たった2時間で既に標高2000m近い。それだけものすごい急登だったいうこと。撮ったのはこれっきり。終始、そのゆとりなし。

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コメント

びっくりしたあ~。

大変な思いをしたんだねえ。でもそれ以上に
信頼できる仲間と一体になれたのは,すごい
経験だったですね。うん,初めて,山登りが
羨ましいと思ったよ。それに「ビバーク」っ
てそういう意味だったんだあ。

投稿: まったん | 2008/09/08 15:58

まったん様

「生き物」って温かい

ってこと改めて実感しました。
隣の人との接触面だけ温かいんです。

何事も原則、鉄則遵守が基本ですね~
愚直に守ってこそ
いざの時に間に合うのですね~

【ビバーク】
a bivouac ((予定外の所でする露営)).
語源はフランス語
【ツェルト】
ビバーク時に用いる小型のテント。語源はドイツ語のZeltsack(ツェルトザック)の略。

だ、そうです。

投稿: 本屋のおばちゃん | 2008/09/08 16:25

いや、おばちゃん、ご無事で何より
でも、少々危険ではないかい。

投稿: ねんこ | 2008/09/08 21:03

お疲れ様です~。
確かに、微妙なトレーニングー♪ですね。
登山スクールとしては、ちょっちイエローかも(^^;)。
(特に、『前日の夕方6時に最後のひと口を飲んでから18時間ぶりの水分補給だったから…』
ってかなりヤバクねーっすか!?)
>>山の怖さを実感し、だからこそ鉄則を遵守することの大切さを改めて学んだと思う。
…と、受講生が学習したのならいいんでしょうね。きっと。

p.s.ところで、今月末、行くとしたらどこら辺を考えてます?? 

投稿: 豆板醤 | 2008/09/08 23:04

ねんこ様

お陰さまでbeerも旨いhappy01

投稿: 本屋のおばちゃん | 2008/09/09 01:02

豆板醤様

確かに、1枚でやめたいカードでした。

渋滞で2時間、これがそも悪運。
わたしがもう少しスピードがあれば1時間。
その3時間ですね。
3時には木賊山着だったわけです。

今月末は1泊OKなんでしょうか?

投稿: 本屋のおばちゃん | 2008/09/09 01:08

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