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2006/04/19

城山稲荷神社の桜

06entry_1このページは「編集室・四季折々」の
「HANAMI TUOR RELAY ON WEB2006」に
参加しています


Shimane01

4月7日から9日まで島根県にでかけた。

針葉樹に負けじと精一杯背丈を伸ばしているソメイヨシノ。
伴伸びして下枝は自然落枝したのだろう。高い所で懸命に花をつけている。
城山稲荷神社は松江城のすぐ脇にあるのがよかったかどうだか、観光客が訪れることも少ないらしく、人っ子一人見えない。ひっそりとした佇まいで、「いかにも鎮守の森に守られて」風情に趣がある。
とはいえ、実は格式高い社であることはその堂々のつくりからも伺える。立看によれば1639年に出雲隠岐両国の守護神として松江城内に祀られた神社。「ホウライエンヤ」なる神幸祭は1648年の昔からから今になお伝えられている日本三大船神事の一つだとか。
「年寄りに聞くとそりゃあ、見事なものだそうですよ」
案内してくれた御仁によれば、献上奉納する船一艘つくるほか、莫大な費用がかかるので、長い間催行されていなかったが、ぜひ復元催行しようと目下準備中だという。

松江城の堀をはさん武家屋敷の家並みの一角にかの小泉八雲・ラフカディオ・ハーンの居宅が記念館として残っている。城山稲荷からは目と鼻の先。ハーンも好んで城山稲荷を訪れたという。

鮮やかな朱塗りの鳥居を抜けた参道に静かに咲くこの桜を、かのハーンが目にすることはなかった。いや、のっぽだとはいえ、幹の太さから推すに、もしかしたら私より若かったりするだろう。

Shimane02
山門に上がる石段の両脇のコマイヌさん、神社脇のコマイヌさん(どうみてもおいなりさんなんだけど)は鼻や耳や尻尾が欠けたり風化して磨り減ったりしながら、ハーンに頭をなぜてもらったり、桜の苗木が育つのを見守ってきたのだ。


城山稲荷、千手院の桜はこちらにも書いています。

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2006/04/12

時は春

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確か先週の木曜日だから4月6日。
仕事に出るのに、いつものバス停でバスを待っていた。
杖を突いたおばあちゃんがやってきた。そこへ間もなくバスが。
「どうぞお先に」
おばあちゃんを先に行かせた。バス停からわずかに1歩、車道へ降りて、それからバスのステップを登らねばならない。なんでもない人にとっては、ほんの少しのプロセスがおばあちゃんにとっては大ごと。ステップの途中でふらついたら、すかさずお尻を持ち上げて支えよう、そういうつもりだった。
どういうわけだかアタシは、うちのおばあちゃんが生きていた時の感じになってしまっていた。
まずまず何事もなくバスは走り出した。私は座席に着くとすぐに文庫本を取り出して読み始めた。
ふと気がつくと、次のバスストップでおばあちゃんがゴチャゴチャ言っている。
「あらら、このバスはどこへ行くんでしょうか」
「奈良北団地ですよ」と運転手。
「あらま、それじゃ降りなくちゃ」

って、なに!
アタシもバス乗り間違えてるジャン!!
1時間に1本通るか通らないかの系統違いのバスに乗ってしまったのだった。アタシも慌ててて降りた。
「お急ぎじゃないんですか」
困り果てているおばあちゃんを置いて、とっとと歩いて適切なバス停に戻るわけにはいかなくなってしまった。おばあちゃんの持っている荷物を二つ持って、ゆっくりゆっくり歩いた。おばあちゃんも杖を突きながらゆっくり歩く。ほんとうは、おぶって歩いちゃいたいくらい。
時は春。
道端にはタンポポだのホトケノザだのヒメオドリコソウが小さな花のじゅうたんを形成している。忙しく毎日をただバタバタと暮らしているうちに、季節は確実に巡っていたといまさら思ったりする。いっそ、すっかり「先を急ぐ」のはあきらめて、道端の草花をながめたり、おばあちゃんと話をしながら、ゆっくり歩く。
聞けば、おばあちゃんは連れ合いに先立たれ、息子のところに越してきて間もないのだとか。うちの近所のスーパーに買い物に来た帰りだったんだとか。
なにくれなく話しているうちにビックリするような意外なことがわかったんである。
おばあちゃんがこの度越してきた家というのは、なんと20数年前、我が家がこの地域に初めて越してきて入居した1戸建て賃貸住宅だった。
長男が小学校1年生。次男が幼稚園、三男は1歳とちょっとだった。それから7年ほど、息子らがわんぱく盛りを暮らしたその家だったのだ。

「不思議なご縁ですね~」
「いやいやまったく」
意に沿うてか沿わずでかその家に暮らし始めたおばあちゃんの歩みのおぼつかなさに気をとられ、おばあちゃんと一緒になってついバスを乗り間違えただけのことだったんだが、話はしてみるもの。人間、どこでどういうえにしでつながっているものやら。
これも「春」のいたずらなんだやら…。

なんて、バスを乗り違えるなんてドジのいいわけにしちゃ上等でやんしょ。
おばあちゃんが次のバス停で気がついて騒がなければ、乗ってすぐに本を読み始めたアタシは終点まで行っちゃってたかしんない。

「アタマはいつも春か?!」

あ、それ、いわんといて!

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2006/04/05

せっかくの我が編集部のOFFだというに、朝からずっと降ってる。
「久しぶりに草花でも撮りに歩いてみるかな」はすっかりオジャン。
朝寝といわず、昼寝といわず、PCの合間にトロ、なんかしてはトロ。PC・寝る⇒PC・食う⇒PC・寝るの食う寝るパソコンで、結局のところ一日の大半をPCの前で過ごす羽目になった。ナンノコッチャ。

三男がひょこり金曜日にやってきて、今朝気がついたら荷物がなかった。朝うんと早く帰ったらしい。まったくアイソのないやっちゃ。ま、小遣いのひとつもくれずに済んでラッキーだったといえば、いえるんだが。

帰ってきてすぐ「あそうそう、借りた金返すわ」など殊勝なことを言いだした。
「この間借りたぶんと、その前に借りたぶん」
合わせて10万円を返してくれた。返ってくるとは期待していなかったので、なんだか儲かったような気分。急に金持ちになったようなホクホク。
と思っていたら、三男が言ったもんだ。
「いっぺんは返しとかないと、次に借りにくいからね~」

あ、やっぱりね~。

何だかんだいって「ちいとは大人になったな」など内心喜んでいるバカ親である


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2006/04/01

「想い」桜

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060331sakura
3月31日
ほとんど毎日通う見慣れた道。いつも先を急ぐだけの道がある日、特別に見える。
「わー、咲いた~!」

2年前・04年にも同じ桜を撮った。長男のところに生まれたたけぽんが初宮参り。春からたけぽんママは大学3年生として再スタート。そんなこんなが書かれていることを読み返した。
桜企画を始めて今年で5年目。4回の春に桜の名所や旅先で見かけた桜をたくさん書いた。けれど読み返して感慨深いのはやはりご近所の桜。ご近所の桜が胸に染みるのは、暮らしの様々が転換したり再開したりする時期を花期とする桜が、その時々の「想い」をあらためて想起させるからなのだ。

さて今年のご近所桜は…
花に嵐、花曇り、花冷え。春とて穏やかな時ばかりではない。なんだか頭の中がいまひとつすっきりしない花曇りの私の春ではある。
長男のヨメさんが4月から、どうするつもりなのか聞いていない。昨年就きたかった仕事・会社を受験合格したにもかかわらず、最後の最後で「母」であることを告げたとたん重い鉄の扉が音を立てて落ちてきた。「仕方がない」と諦めつつ、口には出さないがかなりショックが大きかったとみえ、以後就活を試みなかった。
長男もどうやら会社を辞めるとか辞めないとかモヤモヤ状態であるらしい。
ダンサー・三男も「今年が限界」という。スネカジリ状態に自らが耐える限界の年なんだという。
とはいえ、いずれの状況に対してもアタシが悩んでどうこうなるものでは所詮なく、黙って眺めているしか術もない。
私の花曇はいうまでもないが、そこにあるのではない。「これからそこそこ元気な10年、次のオマケの10年、あればついでの10年をどう過ごすか作戦、ぴんぴんコロリン対策」などのんきなことばかりいっていられない。覚悟の上とはいえ、始めたことの道のりを思うと武者震いと意気消沈とが常にない交ぜになる。

04年に「UP&DOWNはバスだけに」とため息した。どうやら私は「穏やかに暮らしたい」など願いつつ、片方で「FIGHT&STRUGGLE」の道を選んでしまうタチらしい。
やっかいなことよ。

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